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輝いている生

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2011_Osakajo_Ume.JPG少しずつ春の気配が感じられるようになり、梅もほころび始めましたね♪♪
リラクセーションスペース蓮で心理カウンセリングを担当しております、臨床心理士の今西彩と申します。

蓮で勤務して1年が経ちました。たくさんの出逢いがあり、学びがありました。今日は蓮の紹介を兼ねて、私の蓮での役割と、学んだことを少しお話させてもらいます。

蓮での役割は①バイオフィードバックのお手伝い、②カウンセリング、③雑務(笑)です。

私の専門は臨床心理学です。
つい何でもこころの問題として考えてしまうことが癖になっていました。しかし、身体は心であり、心は身体であり、身体の声を聴くことは心の声を聴くことであるということを学びました。

一方から見るだけでは、人間存在を理解できないのです。このことは、蓮で最も感銘を受けたことで、その学びを大切にカウンセリングをしております。


ところで皆さんは対人援助職に関わる人にどんなイメージをもっていますか?いつも穏やかで、笑顔を絶やさず・・・なんて思っている方もいらっしゃるかもしれません。でも、皆、怒ったり、泣いたり、笑ったり、わがまま言ったり(これは私だけかも(笑))、汚い部分も、弱い部分もあります。

だからこそ、対人援助職ができるのではないのかと思っています。でも、蓮で働く人に共通していることがあります。それは、クライエントさんと真摯に向き合い、専門家として、クライエントさんの力になれるよう、努力を重ねているということです。

蓮には様々な専門家が働いています。バイオフィードバックの専門家でもある心療内科医、看護師、エサレンボディワーカー、薬剤師、アートセラピスト・・・などなど。様々な視点からクライエントさんと向き合っています。複雑で多面的な人間存在を理解する仕事に携わる私にとって、とても心強い味方です!!

人間存在は複雑です。光が当たれば、そこに影ができるように、相反する感情をもって私たちは生きています。これを御覧の方の中には、人生の不運に遭われ、暗闇に沈み、光を見失っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、「いかなる醜悪な生も、死の側から見ればひたくれないに輝いている(霜山,1989)」と私は信じています。その暗闇に微かであっても、光を灯せるセラピストでありたいと思います。

硬いご挨拶になりましたが、見てくださった方との出逢いに感謝しております(*^_^*)


霜山徳爾(1898) 『素足の心理療法』  みすず書房

 

みなさま、本年もよろしくお願いいたします。

昨年は長年変わらなかった政権が変わり、社会情勢も一つの節目を迎えた感があります。今年は、どんな年になるのでしょうか。

蓮が本格始動したのは2007年で、今年で3年になります。蓮に来られるクライエントの皆さんは、医療機関の保険診療ではもの足りず、巷の施設では不安が残る、当施設の「いぶし銀」のセッションを求めて来ておられると実感いたします。

 社会は変わっていますが、蓮ではクライエントの皆さんを無理に「変える」ことはいたしません。変わる力は皆さん持っておられます。ただ、その力が何らかのくすぶりのために十分に発揮されていないだけです。

ですから蓮では、もともと一人一人が持っている素晴らしい力、自然治癒力、リソース、をできるだけ引き出して、変わってもよい状態になって自ら変わられるのを待ちます。セラピストはその力を引き出すお手伝いをさせて頂くだけです。

 そのために、今年のキーワードはずばり「五感を磨く」です。
五感とはいうまでもなく、見る(視覚)、聞く(聴覚)、臭う(嗅覚)、味わう(味覚)、触れて感じる(触覚)です。

生きるということは感じるということです。
この五感がくすぶって感じる力が小さくなってしまうと、自分の「からだ」や「こころ」と対話する力も弱くなり、いのちの灯がくすぶり、本来の力が発揮されなくなってしまいます。

蓮で行っている、バイオフィードバック、ボディワーク、カウンセリングのセッションは、この五感を磨くものと言えます。
バイオフィードバックは特に眼で見ることや聞くことを通して、こころやからだとの対話をします。ボディワークは特に触れられる感覚や香りを感じることを通して、からだ(こころ)との対話をします。カウンセリングは特に言葉で話したり聞いて感じることを通して、こころ(からだ)との対話をします。

五感を磨き、こころやからだと対話をする力を取り戻し、ひとりひとりの本来の力が発揮され、2010年が自分を生きる年となって、社会全体もよい変化に向かうことを念じております。