2009年1月アーカイブ

ボディーワーク担当チーフセラピスト 中川 れーこ

心と身体をつなげることが心身医療の大きな目的の一つですが、その一歩前に、
身体全体を"ひとつもの"ととして、つなげることをテーマにしてみましょう。


かなり昔のことですが、私のクライアントさんで21歳の女性の方がおられました。
その方が、私のエサレンボディワークのセッションを受け終わったあと、きょとんとした
驚いたような表情をしているので、「どうしましたか?」と聞いてみると、彼女は、震えるように、こう答えてくれました。


「手と足って、つながってたんですね!」
それを聞いた私のほうが、ちょっと驚いてしまいました。
あなたは、いままで、手と足がつながっていることを知らなかったの?
(あるいは、忘れていたの??)

エサレンボディワークは、下着を一切はずしてもらって、バスタオルのようなドレープをかけて、施術します。オイルをつかって、全身の端から端までをつなげるように、ゆっくりと、ロングストロークをするのが大きな特徴です。

ストローク(stroke)には、いろいろな意味がありますが、 
この場合は「撫でる」あるいは「さする」こと。
また、筆づかいのような、ペンや筆でなぞった線を表すこともあります。ロングストロークは、身体の端から端をつなげるように「さする」ことで、まるで、「一筆書き」のように身体の中の"つながり"を受け手の方に体感していただく効果があります。


自分の身体の自己イメージを絵にしてもらうというワークがありますが、そういうとき、身体全身を描く人はとても稀で、顔だけ、あるいは、上半身だけという絵が非常に多く見受けられます。
このように、私たちが日常で意識できる自分の身体は、とても部分的で、ともすれば、上半身と下半身、あるいは、頭・手・足などが、ばらばらに認識されていることが多々あるのです。


こういう身体のトータルなつながりを回復し、全身への意識を広げていくのが、ボディワークのひとつの目的で、エサレンボディワークは、様々なアプローチで、ばらばらになった身体への意識をつなげるお手伝いをします。
とくに、ロングストロークは、身体のはしからはしを、1本の一筆書きのようなラインでつなげて、
受け手の方の脳に、ご自身の身体のつながりのイメージを再認識してもらう効果があります。
オイルは、その流れがスムーズに進むように助けてくれます。

何度か鬱傾向の強い方に施術させていただいたことがありますが、その時、その方の身体の表面に触れる私の手の感触が、つるんと全身がつながるように進まないように感じたことがありました。まるで、目に見えない段差や傷があるかのように・・・。
そういうときは、時間をかけて、普段よりゆっくりと、丁寧にロングストロークをするように心がけています。

これには、じょじょに、受け手の方が、自分の身体がひとつの身体として繋がっているんだと認識するのを、お手伝いする効果があります。自分自身の身体が「ひとつのもの」として認識されたとき、ようやく、心とからだは、ひとつのものだと理解されるのです。


さて、ばらばらになった身体については、古代から様々な寓話があります。
たとえば、古代エジプト神話の女神イシスのお話。
 
すぐれたヒーリングの力をもつ女神イシスが、国王である夫のオシリスを蘇らせたお話。。。
弟であり宿敵のセトによってオシリスは、一度殺害されましたが、妻の女神イシスによって一度蘇ります。執拗に兄を狙うセトは、再びオシリスを殺害し、次は再生不可能となるように、オシリスの身体をばらばらに切り離してしまいます。
 
身体をばらばらにしてしまうと、二度と再生しないと考えられたのです。
しかし、イシスは、ばらばらにされてしまった夫オシリスの身体のそれぞれの部分を探しだし、ひとつひとつをつなぎあわせて、再び再生させました。 
ばらばらになった身体をつなぎあわせることで、オシリスの心もまた、復活したのでしょう。
ボディワークのルーツは、古代エジプトと古代中国だといわれますが、この女神イシスの、ばらばらの身体をつなぎあわせて再生するヒーリングに、その源泉を見ることができます。
 
漫画家の手塚治虫は、「ブラックジャック」や「どろろ」で、身体が一度ばらばらになった主人公が、もう一度、自分の身体をとりもどし再生していく物語を描いています。とくに、「どろろ」は、戦国時代の武将の父親が、魔物と契約し特別の力を得るために、わが子の身体をばらばらにして、様々な魔物に貢物として捧げてしまいます。
身体のそれぞれの部分を奪われて、ばらばらの身体となった主人公どろろは、数々の試練を乗り越えて、奪われたひとつひとつの身体の部分を取り戻すために、魔物と戦いながら、魂の旅を続けるというストーリーでした。
 
現代社会に暮らす私たちは、ともすれば、身体の意識と遠ざかり、身体のトータルなつながりを感じれないことがありがちなので、それを取り戻すことを意識化する必要があります。
古代イシスの話からもわかるように、ばらばらになった身体のつながりを取り戻すことが自分自身への癒しであり、それは、心と身体のつながりを取り戻し、自分自身としての実感が回復することにもつながります。
 
さて、身体のつながりを取り戻すための、日常でできる、いくつかのアイデアをお伝えしたいと思います。


上半身だけではなく、下半身、とくに足の裏をよく感じてみる。 
歩くときは、なるげく全身をつかって歩いてみる。
時々、大きな鏡で身体全身を映しだして見る習慣をつくること。
お風呂に入って身体を洗うとき、手から胴体、腰、そして、足とつなげるように、石鹸でロングストロークしてみる。
そのほか、ヨガや気功、太極拳やダンスなどもいいですし、
そして、エサレンボディワークも、もちろん、お勧めです♪
裸で受けるのが、まだ恥ずかしい方は、着衣のままでのワークもありますよ。
これでも、効果はほぼ同じですので、ご体験ください。
 
身体をつなげていくと、ごく自然とスタイルもよくなり、まだ血行やリンパの流れや気のめぐりもよくなるので、自然とお肌の張りもよくなります。
実は美容効果もばつぐんなんですよ^^。

2011年7月

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