2011年10月アーカイブ

こんにちは。セラピストのヨシジマです。臨床心理士です。
現在は、「ストレスプロファイル」という、バイオフィードバックを用いた、身体の生理状態の検査を行っていますが、専門は心理カウンセリングです。

心理カウンセリングでは、ご存じのとおり、悩んだり困ったりしていることについて、相談者とカウンセラーが話しながら進めていきます。相談者は、「話したい」「聞いてもらいたい」とか、「なんとかしたい」などの思いがあるので、話をするという方法を選んでいるわけですが、心理カウンセリングにおいても、からだのことが重要だなと思うことは少なくありません。
例をあげますと...。

Aさんは、親族の中でおきたトラブルに困っていました。もっと困っていたのは、そのことでノーを言えないことでした。これまでAさんは"逆らう"ことを考えたことがなく、何でも「はい、はい」と人が言うとおりにし、自分の考えを出したり、嫌ということができませんでした。Aさんの体はとても緊張感にあふれていましたので、「からだにも力が入っているようですね」と聞いてみたところ、肩はパンパンで、時々頭痛にも悩まされていたそうです。

Aさんにとって、自己主張をすること、ノーと言うことは、自分を解放することであり、それはつまり、からだの力も抜くことになります。Aさんは、日常生活で適切な自己主張をすることを進めながら、また一方では、からだをリラックスさせることも並行しました。こころの状態とからだの状態はリンクしている印象的なカウンセリングでした。


Bさんは夫の激しい暴力で、心身共に深い傷を負っていました。このような場合、カウンセリングにおいて、感情は身体化されて出てくることがあります。Bさんは話をしているうちに非常に強い怒りが出てきました。激しく泣きながら、表情が一変し、息が早くなり、そのためにさらに怒りが強くなっていっていました。暴力の被害者は、このような状態になることがあります。

私はBさんに、一緒に歩きましょうと提案しました。Bさんは少し落ち着きましたが、腹立たしい話しを続けながら歩いていました。私はゆっくり歩きながら、Bさんには呼吸のリズムをとったり、「足や息の感じはどう?」と聞いたりしました。するとBさんは突然しゃがみこみ、激しく泣き出しました。その涙は、怒りではなく、自分のための悲しみの涙でした。そこに行きつき、Bさんはようやく本当に落ち着きを取り戻しました。

Bさんとのセッションは、感情とからだの状態がリンクし、相互に影響し合っていることが現れたものでした。Bさんの"思い"はBさんを占めていましたが、逆にからだに意識を向けることで、「今、ここ」にしっかりとつながることができ、Bさんは落ち着いて自分に向き合い、感情を受け止めることができたのです。


このように、心理カウンセリングにおいても、「からだ」への視点はとても大切だと実感することがよくあります。
セッションの進め方は、相談者が求める方法に添っていくことが大切です。一方で、他の視点を持つことも大切です。

私達は、「からだ」と「こころ」をわけずにみる視点をもちながら、その関係性を考えてアプローチすることを目指しています。 

2011年10月

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