第61回日本心身医学会近畿地方会
第48回近畿地区講習会
開催のご挨拶

この度、「身体症状を主体化する-心身医療において身体症状とどう向き合うか」をテーマとして、第61回日本心身医学会近畿地方会および第48回近畿地区講習会を開催させて頂きます。

社会がますます複雑化する中にあって、日常診療においても心身症などストレス関連疾患の重要性は年々高まりつつあります。また、企業においてもストレスチェック制度が始まり、来年は心理職の国家資格がスタートするなど、心身医療をとりまく情勢は変化しつつあります。

この領域の流れとして、ストレス関連の身体症状の増加や、生活習慣病や機能性身体疾患のコントロールの困難化が挙げられます。これには、高度情報化された時代の中でSNSなどによるコミュニケーションの表面化などにより、地に足のついた身体的な活動が低下し、心身のバランスを崩してしまうことや、自身の心身の状態に対する向き合い方の稚拙さなどが関与していると考えられます。IT関連職におけるメンタル不調者の増加もそれを裏付けるものでしょう。

心身医学は心と身体の関係性をキーコンセプトに、その両面をバランスよくみることを重要視しております。今回はこれらを踏まえ、「身体症状を主体化する-心身医療において身体症状とどう向き合うか」をテーマとさせて頂きました。

身体症状に対して、まずは医学的に十分な評価が重要であることは言うまでもありません。その上で、特にストレス関連疾患や生活習慣病では、患者自身がその症状をよく理解し、適切に向き合いながら対処することが求められます。医療経済的な情勢を考えても、この領域の疾患に適切に対処し、提供される医療だけでなく自己のナラティブに組み込んでいくアプローチが、これからの医療では本質的に重要になってくると思われます。

このような観点から、今回特別講演では東京大学大学院人文社会系研究科教授、榊原哲也先生に根本的な心身のとらえ方について、また、教育シンポジウムでは関西大学社会学部准教授、福島宏器先生に、最新の認知神経科学における身体感覚や他者への共感についてご講演いただき、一般演題も加えて、上記テーマに沿ってディスカッションをしていきたいと考えております。

会場は梅田の中心地の至極便利な会場であり、医療関係者はもとより、広く心理職や対人援助職など多くの関心ある参加者を期待しております。
つきましては、開催概要をご検討の上、第61回心身医学会近畿地方会/第48回近畿地区講習会開催への賛同、ご協力を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

平成29年8月吉日

第61回 日本心身医学会近畿地方会/ 第48回近畿地区講習会
会長
 神原 憲治 (長岡京駅前メンタルクリニック院長・長岡ヘルスケアセンター
         関西医科大学心療内科学講座)
 村川 治彦 (関西大学人間健康学部 教授)